相続手続き|行方不明の異母兄がいる相続手続きをサポートしたケース
状況
Aさんは、「住宅ローンが終わったから、抵当権を抹消して欲しい」というご依頼で当事務所へお越しくださいました。
そこで、当事務所が調べたところ、抵当権が設定されている土地は、20年前に死亡したAさんの亡母B名義になっていました。当事務所は、「亡母Bの相続手続きをしなければ土地について住宅ローンの抵当権抹消はできない」旨をAさんに説明したところ、Aさんは「実は、私には、年が離れた異父兄Cがいて、Cは16年前から行方不明である。だから相続ができなくて困っているのだ」という事情を話してくれました。
Aさんの自宅敷地である土地がこの先もずっと亡母B名義のままでは、変更処分が一切できません。Aさんは何とか自分名義にする方法がないかという相談に発展しました。
司法書士の提案&お手伝い
そこで、司法書士としてAさんにCさんの行方を捜すお手伝いをして、Cの住民票を取得し、そこに記載されたアパートの住所に行ってみました。しかし、そこはアパートではなく、まったく別の建物があり、別の人が住んでいました。
行方不明のCには妻も子供もいませんでした。AさんがCと最後に会ったとき、Cは既に60歳を超えていたので、もし、健在だとしても今は80歳に近い年齢になっています。AさんにCが居なくなる前の様子を詳しく訊いても、行先にまったく手掛かりがなく、この先、Cが現れる可能性はほとんどないような状況であることが判りました。
そこで司法書士として、Aさんに「Cの失踪宣告を申し立てたらどうか」という提案しました。しかし、Aさんは、異母兄であるCを死亡したとみなすという効果をもった失踪宣告を自らが申し立てることに強い抵抗感を示しました。
次善の策として、Aさんから不在者Cの財産管理人を家庭裁判所で選任してくれるよう申立て、不在者財産管理人が選任されたら、その方が家庭裁判所の許可を得て遺産分割協議に応じるという方法を採ったらと提案したところ、Aさんは、それならば依頼したいと仰いました。
そこで司法書士として、Aさんの話をまとめて家庭裁判所へ提出する申立書にして、その提出を代行もしました。
結果
Cの不在者財産管理人が家庭裁判所で選任され、その管理人が「権限外行為の許可」を得て遺産分割に応じてくれました。「亡B名義の土地は、Aが相続する。もし将来的にCが現れた場合にはAはCに〇〇万円を支払う。」という趣旨の遺産分割が成立しました。
晴れてAさんの自宅敷地はAさんの所有名義になりました。もちろん住宅ローンの抵当権抹消も済ませることができました。