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相続人に行方不明の方がいる場合 | 山梨・甲府相続遺言相談センター

相続人の中に不在者がいる場合の相続手続

相続人の中に、長期間行方不明の方(不在者)がおられる場合に、不在者を除いたまま相続手続を開始することは出来ません。

相続人の中に不在者がいる場合、先ずは家庭裁判所に不在者財産管理人の選任申立てをします。

※不在者財産管理人の選任申立ては、不在者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申立てます。不在者の最後の住所地が海外の場合には、東京家庭裁判所に申し立てる事になります。但し、被相続人の財産が、不在者の最後の住所地と全く別の場所にある場合、不在者の最後の住所地の家庭裁判所で手続きを行うよりも、被相続人の財産の所在場所で手続きを行った方が合理的なケースもあります。このような場合は、予め、申立裁判所に確認をとった上で、通常の必要書類の他に、上申書や調査報告書等を添付して申立てを行います。又は、もともとの管轄裁判所に移送申立書を添付して申立てを行う方法もあります

家庭裁判所が不在者財産管理人を選任した後、その管理人を含めた相続人全員で遺産分割協議を行なわなければなりません。

不在者財産管理人の選任申立てに必要な書類

被相続人の相続手続の前提として行う、不在者財産管理人選任申立ての標準的な必要書類は、次のとおりです。

不在者の戸籍謄本

不在者の戸籍附票

不在である事を証する資料

不在者の財産に関する資料

被相続人の戸籍謄本

申立人の戸籍謄本

被相続人の財産に関する資料(必須ではありません。)

相続関係説明図

遺産分割協議案(必須ではありません。)

  1. 収入印紙800
  2. 予納切手(裁判所によって異なります。)

不在者財産管理人の選任申立てを行う場合、管理人候補者を予め推薦する事が可能です。当事務所では、司法書士や弁護士を管理人候補者として推薦して申立てを行っております。

一般の方を候補者として推薦する場合には、候補者の住民票が別途必要となります。

※候補者が必ず管理人として選任されるとは限りませんので、ご注意ください。

不在者財産管理人選任申立てを行う場合、裁判所に予納金を納める必要があります。

当事務所では、依頼人には、「100万円準備してください」とお伝えしております。必ず100万円掛かる訳ではありませんが、そのくらいの費用を想定しておかれることが必要です。

予納金額については、申立後、家庭裁判所の裁判所書記官から連絡があり、納付書が送付されてきますので、銀行で一括納付します。

不在者の最後の住所地が海外の場合

不在者の最後の住所地が海外の場合、外務省で、「所在調査申込」を事前に行う必要があります。

外務省の「所在調査申込」は、全て、郵送手続で行います。

この手続きは、外務省が現地で不在者の調査を行う訳では無く、在外公館で保有している資料で、不在者の住所が判明するかどうかを、書面上でチェックする手続です。

不在者が在外公館に連絡先等を届出ている場合、この調査で連絡がつく場合もありますが、連絡先を届出ていない場合には、所在が判明しなかった旨の回答が郵送されてきます。

当事務所の相続手続き丸ごと代行サービス

当事務所にご依頼いただければ、相続人の調査から遺産分割協議書の作成、およびその受け渡しを、全てサポートいたしますから、慣れない手続きや書類の準備・作成に振り回されることなく、故人を悼む日々を過ごすことができます。

ややもすれば感情的になりがちな遺産分割についても、冷静にかつ円満に解決できるよう、第三者である専門家が法的なアドバイスを行います。相続をきっかけにして、相続人どうしがいがみ合う、いわゆる「争族」にならないように、知恵と知識と経験でサポートさせていただきます。

相続手続き丸ごと代行サービス(遺産整理業務)の詳細はこちら>>

相続手続き丸ごと代行サービス(遺産整理業務)の料金

相続財産の価値 報酬額
500万円以下 25万円+消費税
500万円を超え5000万円以下 (価額の1.2%+19万円)+消費税
5000万円を超え1億円以下 (価額の1.0%+29万円)+消費税
1億円を超え3億円以下 (価額の0.7%+59万円)+消費税
3億円以上 (価額の0.4%+149万円)+消費税

相続人が行方不明のケースを解決した事例

Hさんは、お父さんの相続手続でご相談に来られました。

相続人としては、お母さんとHさんを含めた兄弟3人の合計4人です。

末の弟さんは、地元から遠く離れたところで就職し、一人暮らしをしていました。その弟さんは、10数年前から行方が分からず、全く音信不通の状態です。警察に捜索願を出しましたが、現在まで何の手がかりもありません。

このような場合に相続手続をするには、家庭裁判所に申立をして、不在者である弟さんのために財産管理をする不在者財産管理人を選任してもらい、不在者財産管理人を含めた相続人全員で遺産分割の話し合いをしなければなりません。

当事務所がサポートして、家庭裁判所に不在者財産管理人の申立を行いました。

家庭裁判所への申立の結果、家庭裁判所が選んだ司法書士が不在者財産管理人に選任されました。

不在者財産管理人の任務は、弟さんの権利を守り、弟さんが見つかるまでその財産を管理することです。

遺産分割に関して言えば、不在者財産管理人は、弟さんの法定相続分に相当する財産をきちんと確保することが求められます。

遺産としては、自宅の不動産と預貯金、投資信託などがあり、金額としては、合計約5000万円ほどでした。

このような場合、不在者財産管理人が不動産を取得しても管理に困るだけですので、弟さんの法定相続分6分の1に相当する約800万円の現金を弟さんが取得する内容の遺産分割協議をまとめました。

弟さんの法定相続分が確保された遺産分割協議でしたので、家庭裁判所の許可も得られ、正式に遺産分割協議が成立し、それを元に無事相続手続も完了しました。 

この後、不在者財産管理人は、弟さんの現金を弟さんが見つかるまで管理していくことになります。

とはいえ、弟さんが見つからなかったら財産の渡しようがありません。

ただ、不在者財産管理人の司法書士には報酬を支払わなければなりませんので、弟さんの財産の中からそれは支払われ、少しずつ財産は減少することになります。

気の長い話になるかもしれませんが、結果として財産がなくなれば、終了ということにもなります。

また、失踪宣告という手続もあります。

これは、7年以上生死が不明の場合にその人を死亡したものとすることができる手続で、あえてこの手続を取るかどうかはご親族の判断となります。

弟さんの失踪宣告が認められれば、弟さんの財産は相続人が取得することになり、それにより不在者財産管理人の仕事は終了することになります。 

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