遺産分割協議|兄弟間の相続手続きにおいて、代襲相続人に米国人がいた相続手続きをしたケース
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状況
6人兄弟(女4名、男2名)の二男(以下、被相続人という。)が死亡し、その相続人となる姉(長女)が米国で生活するなかで先に死亡しているらしいとの不明瞭な情報の下、また、その配偶者および子の生存の有無についても不明な状況でご依頼いただきました。この長女には不在者財産管理人が選任されていました。
被相続人の遺産は、父名義(30年以上前に死亡)の不動産の相続権および預貯金でした。
被相続人が死亡したことにより、姉である三女が金融機関の紹介により、当事務所に相談にいらっしゃいました。その内容は、「父名義の不動産の相続登記および被相続人の郵便局の貯金や銀行の預金の払戻し手続きをしたい。私(三女)以外の相続人は、全員県外に住んでおり、不動産の管理および障害のあった被相続人の面倒は私(三女)が看てきたので、今後の不動産等の管理も含め、誰が相続するかはっきりさせたい。」ということでした。
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司法書士の提案&お手伝い
当事務所では、以下の3点をご提案いたしました。
①被相続人の父名義の不動産について、不在者財産管理人を含め遺産分割協議を行うこと。
②被相続人の目録を作成、相続税の申告を要する可能性があるので税理士を紹介し、相続税申告の要否につき明確にすること。
③被相続人の遺産についても不在者財産管理人を含め遺産分割協議を行うこと。
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結果
被相続人の父名義の不動産は、不在者財産管理人遺産分割協議により、三女の名義に相続登記を行いました。税理士により相続税の申告が必要となることが確認され、相続税の申告を行う中で、米国在住であった長女の生死および配偶者や子の存在の確認をすることとなり、結果として長女はやはり被相続人より先に死亡していること、代襲相続人である子2名の所在も、共同相続人の協力の下、米国の調査業者を通じて確認されました。
この結果、被相続人の遺産の内、預貯金については、この米国人である相続人(日本語は話せない)を含めての遺産分割協議を行い、争うこともなく無事に遺産分割協議が成立しました。米国の相続人との書類のやりとりは当事務所を通じて直接行い、最終的に協議内容に応じて各相続人が相続しました。